2022.12.22
家づくり

今日は冬至

一級建築士|井上秀樹

今日は冬至

今日は冬至。一年で一番昼が短い日。言い換えれば日照時間が短い日。

こんな寒い日は積極的に家の中に日差しを入れたいですね。しかし熊本の場合、本当に寒い時期というのは年間通して1~2カ月。極端に言えばこの時期を厚着でもして凌げれば、寒い時期のことをそこまで考えなくていいかと思います。

やはり夏の暑さ対策に特化した家をつくった方が得策でしょう。それには図のような見解から庇は絶対に必要です。夏場の強烈な日差しをいかにして家の中に入れないかが重要です。断熱がいいとかは正直関係ないです。高エネルギー熱線を4時間も5時間も浴びせ続けられるとさすがに耐えられないですよ。高断熱住宅が夏の夜エアコンなしでは寝られない、24時間空調入れっぱなしでないと住めない理由です。

北緯66度を超えるような冬の日照がほぼ得られないような地域なら、積極的に太陽光を取り入れる家にすべきです。

実際、スカンジナビア三国(スウェーデン、ノルウェー、フィンランド)の家は石造りの立方体で家の熱を逃がさないために窓も小さい。そもそも日照が望めないので、外を確認するのぞき窓みたいなものですから。

でもこのような家が今、南国熊本で急増しています。建物平面から庇などの突出する部分の施工が必要なくローコスト化できますが、そのような短絡的な考えでは、のちのち痛い目を見ることになりますよ。まして、そんな家をお高く入手でもしていたら最悪です。

熊本で家をつくる基本のキ「庇をつくる」。そんな最低限のことも理解できていない業者がいることに理解ができない。