木の家を大々的にCMしているところでさえ、本物とは言い難い状態。かつては、床天井は杉板、壁はリビング一部屋だけ塗り壁(珪藻土等)、その他の部屋はクロスまたは塗装。一部屋だけでも塗れば標準仕様と明記できるからそうしたのだろう。消費者側は全部屋だと思っているのに。現在は床杉板、壁天井クロスまたは塗装。建具は既製品。これで60万/坪は下らない。しかも総2階。平屋や1階が広い場合は追加金が発生する。坪単価は一番安くできる形状で基本金額を算定している。さらに仮設足場水道電気、現場監督費、屋外給排水、雨水排水などは追加計上される。それまでの経費を入れるとなんと80万/坪となって、おいそれと手が出せなくなる。
この段階でも余力のある人は、全部屋本物仕様を希望されるため、床天井杉板、壁珪藻土となり、大台の100万/坪を突破する。本物仕様で予算3000万でプラン作ってもらった方がいたが、総2階の27、28坪だったらしく家族4人では狭いと言っていた。一般的な35坪くらいだと4000万の大台が見えてくる。
ちなみに弊社の場合では、60万/坪×35坪=2100万。平屋でも追加なし。仮設も含み、屋外給排水、雨水排水含み、照明カーテンまで含んでいる。内装は全部屋床天井杉板、壁しっくいまたは珪藻土。
ほぼ同じ仕様でこの差。片や100万/坪、片や60万/坪。高くなった部分の2000万(40万/坪)は会社の粗利他営業CM経費回収分である。家のグレードが上がるわけではない。その証拠に家の契約金額での評価ではない家の絶対価値である固定資産税はほぼ同じ。仕様がほぼ同じなら至極当然のことである。
もっとひどいところは、あたかも「木の家」を作っているかの売り文句なのに床塩ビシートに壁天井クロス。もはや論外。アパート同等の家なら、安さをアピールした方がまだ潔い。