2021.09.15
家づくり

住宅営業は激務だ!

一級建築士|井上秀樹

住宅営業は激務だ!

住宅営業は激務だ。どの業種もそうかもしれないが、表向きの就労時間は9:00~18:00だが実際は日をまたぐこともしばしば。あるメーカーでは毎日23:00に本日契約実績確認の電話があるという。3,000万もする家が一日二日で決まる訳もないのに。

新卒で採用される裾野は広い。入社一年目からいきなりノルマが課せられる。商品(家)の説明と売り方のレクチャーが終わると早速実践だ。展示場で待つか既存客リストをもって電話か突撃。年間の最低ノルマは大体3棟と言われている。インセンティブ(歩合)は1棟当たり約80万。一応、年間給与は80万×3棟=240万はノルマ未達でも保証されている。これがないと最低賃金の面から労基から指導が入るだろう。また未達分は翌年に持ち越しされる。1棟も売れなければ翌年6棟。ほぼ不可能なので、転職するしかなくなる厳しい世界だ。しっかり売り方をマスターしなければ、1~2年は親兄弟従妹にお願いし、凌げたとしてもその翌年からは立ち行かなくなり転職を勧告される。要は使い捨て。会社としては親戚関係で棟数稼げたのだから御の字である。

逆に年間12棟つまり1カ月1棟決めきれる営業の場合は違う。ギャラも80万×12棟=960万と超破格。経験も知識も必要なく、実績さえあげれば20代前半でもこの収入が得られる。しかし、住宅メーカー全体での住宅営業上位1割しかいないという観点から、相当の切れ者でなければ難しい。