解体前の和室。まず、リフォームの際に重要とされることは、建物のつくりがしっかりしているか、という点。このことを家の素性と呼んでいる。素性のいい家はこれから先も朽ち果てるようなことはないと言ってもいい。逆に言えば、素性(構造上主要な部分)は後から改修するには、大きな費用が掛かる、若しくは改修不可であることが多い。
最近流行りの家は、マッチ棒みたいなフレームで造っているのも関わらず、耐震に優れているなどと謡っている。
実は現行法規に則って造ってある今の家はどの家も新築時は耐震性は兼ね備えている。大事なのはその耐震性を20年先30年先保有維持できるかということ。残念ながら最近の住宅は日本の過酷な気候での経年劣化に対しての耐性を考慮されていないのかと思えるような構造がほとんど。つまり素性の悪い家ばかりだということ。20年30年たった時、リフォームよりも建て替えをオススメしなければならなくなる。
家が技術屋が造る「資産」ではなく、車や白物家電と同じような「商品」と同じ括りに変遷したことによる弊害と言えよう。