2021.07.08
家づくり

地盤調査をしよう!

一級建築士|井上秀樹

地盤調査をしよう!

新築の時には基礎を施工する前に地盤調査をするよう法規で定められている。本格的な調査は相当な費用が掛かるため、住宅の場合、簡易的な「スウェーデン式サウンディング試験」(通称:SS調査)を行うのが一般的。簡易的にも関わらず、試験精度は高く、基礎を設計する上で重要な指標となる。

検査の方法は、先端にスクリューをつけた金属の棒に100kgの重りをつけて、地面に貫入させていき。25cmごとの状況を調べる。それを建物の四隅、中央の5ポイントで行う。地面が柔らかいと、そのまま沈んでいくので重りを75、50、25kgと減らしていき、止まった時の重さを記録。逆に固いと100kgの重りのまま、スクリューを回転させる。25cm貫入するまでの回転数を記録。回転が多いほど固い地盤となる。


木造住宅は軽量の建築物に分類され、この試験の場合は回転が出た時点で地盤の長期許容支持力度(地耐力)は十分である場合が多い。にも関わらず、地盤改良を行っている住宅屋は多い地盤が弱いと言われれば、改良を見送る施主はいない。よって金額を上乗せしやすい。多額の経費を必要とする大手メーカーでは地盤改良はもはや必須項目となっている

地盤調査報告書の地盤の長期許容支持力度が20KN以上ある場合、地盤や基礎構造などの諸条件にもよるが木造住宅では改良はほとんど必要ない。逆に改良を勧めてくるようなら、今後もカモにされること請け合いだ。