2020.06.15
家づくり

大画面プロジェクターはシビれる

一級建築士|井上秀樹

180インチ投影

 お引渡し前のお客様の家のしっくい壁の広さにたまらず、手持ちのプロジェクターを持ち込み投影してみた。幅4.0m×高さ2.0mはド迫力。インチ数は約180インチ。映画館が家に来たようだ。この大きさは普通の液晶テレビでは実現は難しい。実現したとしても恐ろしい金額となるだろう。ちなみに一昔前パナソニック製103型液晶テレビが450万円前後していた。また300kgと超重量級の為、パナによる床の補強工事が必要であった。総額で600万は下らなかったそうだ。それに比べ、プロジェクターの場合、10万もあればいいものが手に入る(かつては30万くらいしていた)。ただ大画面に対し音響が寂しい。だが現在はいいアンプ、スピーカーさえも10万くらいで手に入る(こちらも30万くらいしていた)。アンプによる音響は素晴らしいものがある(その素晴らしい音響を体感するにはスピーカーも数本必要になるが…)。ドルビーサラウンドから始まりドルビープロロジックサラウンド、現在はドルビーアトモス音のする方(音源)の方向性を際立たせる技術だ。画面の人が背後から近付けば足音も背後から近づいてくる。アトモスの名の通り空気(大気)と音に包まれる感じだ。こんなのがプロジェクターと込みで20万程度で揃ってしまう。いい世の中になったものだ。大きな白壁のあるお宅はぜひ購入して大画面を楽しんでほしい。ただ大音量で楽しむときは近隣への配慮をお忘れなく…。

 画面は人気アニメ鬼滅の刃。10/16劇場公開の無限列車編の重要キャラ煉獄杏寿郎さん。後輩想いのやさしい親分肌で漢前のキャラだ。劇場で映画を楽しんで、DVD発売後には自宅で楽しむという新しいスタイルだ。

プロジェクターのスペックはここをこだわれ!

 プロジェクターを選ぶ際、最も注意してほしい項目が「コントラスト比」だ。何かというと一番暗いところと一番明るいところの対比でこれが大きいほど色がくっきり出力される。逆に低いと全体的に白みがかってぼやけて見える。あとは光源の種類で水銀ランプ、LED、レーザーと3種あるが、コントラスト比が大きく出るのがレーザーとなる。解像度をよく検討される方が多いが、4K、2K(フルHD)、HDとあるが、プロジェクターの場合、ここにこだわる必要はない。あの大画面を粗が見える30cmくらいの位置で見ることはないからだ。解像度が欲しいケースは液晶テレビでブルーレイを再生するときだ。2K程度の解像度があれば高詳細な画像を楽しめる。ちなみに最近主流になりつつ4Kは今現在、ウルトラHDのソフト、またはプレステ4プロの4K対応ソフト、さらにウルトラHD専用のHDMIケーブルによる接続でなければ、出力できない。それ以外はテレビが4Kであっても2Kでしか出力できない