2020.06.04
★お知らせ
見学会

完成に向けて

一級建築士|井上秀樹

照明器具も標準装備

 完成に向けて急ピッチで作業が進行している。どんどん器具類が取付されていく。あとは最終清掃を行って、見学会へお出迎えとなる。

 照明器具についてだが、弊社以外はほとんどオプションとなっている。なぜか?分離しやすいから表面上の価格を落とすためにオプション扱い。それをメーカーにお願いすると、80万~120万が建築費に上乗せされる。あまりに高いのでホームセンターの手ごろ品を付けることとなる人がほとんど。新築なのに…。

 実は照明は選定するのに神経を使う。部屋は少し暗くてもいいので演出に振った選定。子供の為にとにかく机上面での明るさを追求した選定など…。弊社の標準品は後者としている。この照度計算が煩雑で、基準照度を得られるよう必要な明るさを出力できる器具を選定するために部屋の形状、壁の光の反射、器具の劣化進度を加えて検討しなければならない。簡単にオプション扱いにしていいものだろうか?

建具はフルオーダーの杉建具

 建具はフルオーダーの杉建具。木は生きているので、新築後1~2年は環境に追従できず歪みが発生しやすく、開閉に難を示すことがある。しかし、その期間を過ぎてその家のその場所(建具が取付てある場所)の環境を学習すればそこから歪みはほとんど発生しない。ちなみに建具のサイズは大体同じなので、家の中で他の箇所と入れ替えてみると不思議なことに引っ掛かりが発生する。同じ家の中でも箇所によって温度湿度環境が違うのだろう。耐久性は湿気にめっぽう強く80年くらいは平気でもつ。隙間が空いたとしてもカンナ一発で解消できる。木の建具ならではだ。またトラブルが少ない引戸としている。ドアは極力使用しない。ドアは開閉に伴い丁番部分に応力が集中しやすく歪みが発生しやすいから。一般メーカーの建具はドア主体(引戸はオプション)で樹脂フィルムを張り付けたものが多い。家の中で生活すると湿気が発生するにもかかわらず、湿気大敵の商品だ。湿気拭き取りを怠ると角部からフィルムがめくれてくる。角の処理が甘いドアだと死期をさらに早めることになる。

トイレは陶器に定評あるメーカー製

 有名メーカーTOTO製品。TOTOはもともと東洋陶器という社名で陶器に重きを置いていた。陶器の焼きが特によく、寸法上の精度が高い。防汚技術も優れており、「セフィオンテクト」という陶器を焼成する段階で表面をガラス並にツルツルにする性能も保持している。しかもそれが半永久に続くというから驚きだ。