タカラスタンダードのここがすばらしい。商品のグレード、住宅メーカーの受注量に対して値引がなくワンプライス。誰にでも同じ価格で売る。逆に言えば、誰もが同じ公平な値段(フェアプライス)で買えるというところ。しかも見えない所も手を抜かない企業姿勢。普通、流し台や洗面台の扉にはいい材料を使っているが本体内部は大抵ベニヤ。タカラは扉も本体内部もグレードに関わらずホーローだ。いい商品が公平な価格で買える。
かつて、自動車業界も値引合戦にしのぎを削っていた。そこをいち早く打開したのがトヨタだった。トヨタはすべての新車をワンプライスとし、どの客にも同額で売るようになった。それまでは交渉がうまい客には値引を大きく、そうでない客には定価で売った。値引前提の定価。そもそも定価とはなんぞや。とお客が不信感を持つようになった。それから値引をやめワンプライスとした。その結果売り上げは伸び、安定した。さらにリセールバリューも高くなり、次の新車乗り換えのハードルを低くした。これに出遅れたマツダは大幅値引きを当たり前のように続けていた。その結果、リセールが大幅に落ち、新車への乗り換えが減り、さらに良いランクの車が他社の2ランクも3ランクも下の価格で中古で売られるようになったことも拍車をかけ増々新車が売れなくなった。(現在は違う。ちゃんとワンプライス商法に変えている。)
話が逸れたが、値引というのはお客にも会社にもいい結果はもたらさないということ。