2023.04.14
日常の思いつき

熊本地震から7年

一級建築士|井上秀樹

熊本地震から7年

2016.04.14、04.16に起きた「熊本地震」

インフラ壊滅状態。あのときは絶望しかなかった…。

しかし、あれから7年。地震後の復興は凄まじかった。破壊された町は、少しの傷跡は残るものの、姿を変えて蘇った!

阿蘇大橋も立派になった。老朽化によって壊れた庁舎がすべて新築庁舎に!新都市くまもと始動!

耐震性が重要視されるように…。

この地震を契機に「耐震性」を謳うメーカーが増えてきた。

なにを今更…。

H12年以降構造規定が変わっており、それ以降の建物であれば、家が一気に倒壊するようなことはない。今回のような地盤面自体が大幅に動くような地震であれば、耐震性能が如何に高くても、無事では済まなく、居住が不能になるくらいのダメージは被る。

実際、建物自体が倒壊せずに傾いているだけのような家は、耐震性能を十分に発揮したと言える。あの強大な揺れでも、倒壊せず空間を保持し、家人が圧死するのを防いだ。「命を守った」これが最重要。

しかし、構造規定改訂から20年。そろそろ老朽化による耐震性能の低下が懸念される時期となった。平成12年までの建物は基よりそれ以降の建物もチェックが必要だろう。

色んな耐震の工法があるが、どれも似たり寄ったりなのでコストが一番安いのでいいと思う。

それは、一番重要な老朽化による耐震性能の低下に関する部分が欠落しているから。今や新築時における耐震性能は法律によって担保されているのでどこで建てても安心だ。ただそれが20年後30年後どうなるかは明らか。60年保証を謳うようなメーカーも出てきた。が内容は10年おきにメーカーによるチェックが必要で既定の改修(150~200万円くらいかかる)をした場合に限るとのこと。現状維持にそれだけかければどんな家でも永久保証できる。

情報弱者は食い物にされる困った世の中になったものである。

ここまで読んでくれたお礼に、これだけは記憶にとどめておいて欲しい文言を一つ。

「20年後30年後を考えた耐震」